■ 田村慶子陶展12th「よりしろ」空洞をはらむ石
期間:2026年3月23日(火)~4月5日(日)
会場:楓ギャラリー(大阪市中央区上本町西1-4-20)
出展作品:49点
「よりしろ」という言葉を冠しての8度目の個展です。
「よりしろ」とは眼には見えないものが依りつく対象をさす言葉です。
15年前、亡骸の胸の上に置かれて共に火葬され、焼け残って遺族のもとに戻る…いわば彼岸と此岸を往還する陶作品を制作していた時に、この言葉が浮かびました。
そして、このタイトルのもとで個展を重ねる過程で、陶の立体が内部にはらむ空洞そのものが、記憶を宿す場所となり得る…と考えるようになりました。
今回は、2024年に熊野灘の浜辺から持ち帰った石の、そのひとつひとつの始まりの時から海辺へ至るまでの長い道のりと永い時間に想いを巡らせつつ、
成形し釉薬をかけて焼成し、時にはその表面を削り落とし、また施釉し焼成することを繰り返す制作となりました。
同時に、その制作過程は、美しい立体作品を作ろうとする作為から、できる限り距離をとることでもありました。
人の想いや記憶をとどめるものとしての「よりしろ」制作は、今回の個展が終着点となりました。
「器とは、モノのみならず想いのいれもの」と考えていた若い頃に、大きな円を描いて戻って来たように感じています。














